オルタナティブスクール

『未来を育む遊学舎』大塔校

Alternative School

子どもが成長する
「教育」にこだわって約30年
オルタナティブスクールにかける思い

今から約30年前、普通の英会話教室で子どもたちに授業をしていた時、たまたま学習障害を持った子どもや、登校拒否を している子どもの家庭教師をするご縁がありました。
普通と違う子どもへの教育は確かに難しかったのですが、自分自身も「変わっている」と言われる側の人間であったこともあ り、この子どもたちにも楽しく生きられることを教えてあげたいと思い、向き合いはじめたことが、発達支援教育に携わるきっ かけでした。

試行錯誤を繰り返しながら、数年が過ぎた頃、保護者から「やまもと先生に教えてもらったおかげで、ここまでこれました」と 感謝されたことがありました。
こんな私でも社会の役に立ち、それが生業になるならと思い一念発起。おそらく日本で初めての「発達障害の児童に特化し た教育支援事業」を起業しました。

発達障害があっても、その子にあった支援や勉強を教え、スキルを獲得する努力や成長ができる「教育」の場であることにこ だわりました。

それは、私にはある想いがあったからでした。
優先順位の一番上に
子どもがいること
私は、発達障害の子どもに対して、「不登校にならないための支援」、「それを未然に防ぐためにどうサポートしていくか」に取り組んできました。

子どもたちが、
つらい思いをしたり、
被害を被ることを未然に防ぐ。


これが、私にとっての最優先事項だったからです。

「学校がつらい場所」になる理由は、前述の【ギフテッド】と同様に、周りの理解が進んでいないことにあります。
そうならないために、学校をどう変えるか、先生をどう変えるか、保護者をどう変えるか、にも積極的に取り組んできました。

例えば、こんなこともありました。
あるとき、中高一貫の進学校に通う子どもが私の元にやってきました。
とても成績優秀な子どもでしたが、周りの生徒や先生と合わない、学校のシステムに合わないなど、不登校になりつつあり ました。

これは学校を変えるしかない。
そう思った私は、ご両親に学校との交渉をアドバイスしました。

ご両親は理解されない状況が続きながらも、諦めず交渉を続けた結果、先生方がその子の「困り」を理解し、状況に応じた 対策を施すなど、学校の教育環境を変えることができたのです。
そのおかげで、仲の良い友だちと一緒に学校生活を続けられるようになり、中学高校を卒業して希望の大学への進学も叶 えることができました。

このように、周りの大人と教育環境を変え、整えることで、子どもたちが「成長」できることをいくつか実践してきました。
...
培ってきた経験や専門知識を
役立てられるなら
「発達障害」に関しては、認知と学びの場は増えてきました。
しかしながら、【ギフテッド】に関して、すべての大人、すべての学校が、そのことを理解し環境が変わるには、まだまだ大きな 壁があり、私一人の力では限界があります。

私ができることは何かを考えたとき、「社会の環境が整わないのであれば、小さくても整っている環境を用意すればいい」と いう想いが芽生え始めます。

【ギフテッド】に関して、すでにそのようなスクールはいくつか存在していますが、子どもの側に立った環境が整っているかど うかが重要です。

【ギフテッド】の子どもを持つ私の知人は、すでに5〜6校のスクールを転々として、理想のスクールを探し求めています。
わが子が【ギフテッド】であるとわかった親は、国内外から情報を収集し【ギフテッド】に対する思いや専門知識のレベルが高 くなっているのですが、それに比べ、専門性が高く経験豊富な学校や先生はまだ存在していないのが実情です。

だったら、私の経験や専門知識が、【ギフテッド】の子どものために、役立てられるのでは…。


そんな想いで、オルタナティブスクール『未来を育む遊学舎』の開校をめざしました。

学校ひとつで世の中がすぐに大きく変わることはありません。
ですが、1人また1人と知る人が増えることで、少しずつ世の中は変わっていく。
私はそう信じています。

教育だけではなく、その先の社会を変えるための発信拠点として、オルタナティブスクール『未来を育む遊学舎』を育ててい きたいと思っています。
小中学生を対象とした
オルタナティブスクールです。
自然豊かな奈良県五條市大塔町の旧大塔小学校の校舎を活用した宿泊型の学校です。
開校にあたり、約4年前から野外活動などのイベントを行いながら、地域の方々との交流を行ってきたこともあり、おかげさ まで地域の方々にも私たちの活動を応援していただけるようになりました。
...
ただ、私たちの活動は、まだ限られた方々にしか認知されていません。

日本には【ギフテッド】で苦しんでいる子どもたちが存在していること。

日本の未来のために【ギフテッド】には支援が必要なこと。

【ギフテッド】で悩んでおられる方々に『未来を育む遊学舎』があること。

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ギフテッドとは?
例えば、このような子どもをご存じないでしょうか?

『複雑で高度な活動は得意😊』 だけど 『単純な課題は苦手😭』

『想像力はすごく豊か😊』 だけど 『対人関係はうまくない😭』

『芸術的な表現は得意😊』 だけど 『読み書きに困難を抱えている😭』

『同じ年齢や経験の子どもたちと比較して、何かしら高い能力を持っている子ども』という表現が分かりやすいかもしれませ ん。

こうした【ギフテッド】の子どもたちは、意外と皆さんの周りにも存在しています!
とはいえ、一見して【ギフテッド】とわかるものではなく、また明確な定義もありません。

少し難しくなりますが、文部科学省の有識者会議では、【ギフテッド】について以下のように述べられています。

【ギフテッド】の定義(概略)

  • 先行する諸外国でも定義は様々で、傾向としては IQ(知能指数)などによる一律の基準を設けるのではなく、大綱的な定義を置いていることが多く、才能を科学技術、芸術、スポーツなどの多様な領域で捉えている。
  • 才能を見いだす方法については、知能検査や認知能力検査、学力テスト等が活用されているが、現在はそれだけでなく、児童生徒の制作物や発表、教師や児童生徒本人の質問紙やチェックリストなどを包括的に活用する例もみられる。
  • 才能の全般的な特徴として「普通より優れた能力」「創造性」「課題への傾倒」の3つの要素があり、才能とはこれら3つの要素の相互作用であると捉えられる。
...
才能があるならいいじゃない!
なぜ特別な学校がいるの?
このような声を聞くことがあります。

ですが、【ギフテッド】だからといって完璧ではなく、その才能の開花には特別な教育や支援を要します。
また、才能を持つが故に通常の学校での教育に不適合を感じる子どもや、才能と困難を併せ持つ子どももいます。

前述の有識者会議でも以下のように述べられています。

【ギフテッド】の特性(概略)

  • 【ギフテッド】の認知や発達の特性として、強い好奇心や感受性、豊かな想像力、高い身体的活動性、過敏な五感などや機能間の発達水準に偏りがあることなどが挙げられる。
  • また、これらの特性が過度に表出し、環境に馴染めないことによる困難を抱えていることがあることも指摘されている。
  • 「2E(twice-exceptional)」と言われる、特異な才能と学習困難を併せ持つ児童生徒の存在も指摘されている。こうした児童生徒は、通常の学級に在籍していることや、障害の程度によっては、通常の学級に在籍しながら通級による指導を受けていたり、特別支援学級に在籍していたりすることも考えられる。

つまり、【ギフテッド】の子どもたちの現状は、この社会の中で明確な定義づけが無いことによって、社会や親に認知されないケースがあること。
そして、【ギフテッド】と同時にさまざまな困難を併せ持っている子どもがおり、困難だけにフォーカスされてしまうケースがあるのです。
...
ギフテッドの苦しみ!
不登校が増えている理由のひとつに!
例えば、何でもすぐに理解できてしまう【ギフテッド】の場合、一般の子どもの理解度に合わせた授業は退屈な時間になります。
授業中に別の本を読み始めたり、隣の子に教えてあげたりしていると、テストで高得点を取っても「落ち着きがない」「協調性がない」と低く評価されることがあります。

また、知識の習得が早いため、同学年の子どもより難しい言葉や理屈が多く、「周りから理解されないこと」が理解できない状況にフラストレーションが溜まり、けんかになったり、周囲から浮いてしまって、不登校になる子どもが多くいます。
いま社会問題になっている「不登校の増加」の理由のひとつだとも言われています。

このような社会の枠組みの中に閉じ込められた【ギフテッド】の子どもたちは、知識や才能があるだけに、自分の行動や個性がないがしろにされていること、理解されないこと、否定されることに苦しみを感じています。
やがて、「他の子と同じような能力だったらよかった」とか、「がんばっても報われない」とあきらめたり、本人ですら「自分のできる所ではなく、できない所しか見えなくなる」ようになるケースがあるのです。

このことを今の社会が理解していないだけで、本人にとっても、日本にとっても、大きな損失になっているのです。
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「ユニークさを強みにして生きる」
そのためには
ダイヤの原石を磨く場所が必要
「どうして5 分でわかることを45 分もかけて教えるんだろう。授業がつまらない。」
将棋の藤井 聡太さんが、かつて語ったといわれる言葉です。

彼が【ギフテッド】であるかどうかはわかりませんが、「理解が速く一般の子どもに合わせた授業に興味を持てない」というギフテッドの特徴を持たれています。
藤井さんの場合は、5歳の時に将棋と出会うことができ、14 歳でプロになって以降、将棋史を塗り替える輝かしい活躍をされていますが、すべての【ギフテッド】が、自分の道を見つけられるとは限りません。

特定の分野で能力を発揮し、社会に貢献・活躍している人は世界にたくさんいますが、実際に【ギフテッド】の子どもが「自分のユニークさを強みにして生きる」ことを実現していくことは難しい側面があります。

保護者や学校、あるいは社会が、【ギフテッド】の凸凹の凸を見つけることができ、なおかつ「それでいいんだ」「そのまま突き抜けろ」と認められることがない限り、子どもはそのようには進めないからです。

「みんないっしょ」が当たり前の学校教育の中では、凸凹の凹にフォーカスされ、それによって【ギフテッド】の子どもでも自己肯定感が低下することになります。

そのまま大人になってしまったら、才能の開花どころではありません。

今の社会には、すごく優秀な人であっても、自分の行動や考えのマイナス面だけを捉え、社会の中で真っ直ぐ前に進めず根無し草のようにフラフラしてしまう大人も多いのです。

「自分はこれでいい」

そのような“しっかりした芯”をつくることができるのは、小中学校の期間だけなのです。

ダイヤの原石である【ギフテッド】の子どもたちに、自己肯定感を高めることができる環境をつくること。

そこで、子どもたちを輝かせ、自分の個性を強みにして、自分の道を歩むきっかけをつくること。

その積み重ねが、やがて将来の日本のチカラになる。

私はそう信じて、『未来を育む遊学舎』の開校を決断しました。
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オルタナティブスクールとは?
「オルタナティブ(alternative)」とは「主流の方法に変わる新しいもの」という意味で、オルタナティブスクールは、公立でも私立でもない「新しい選択肢の学校」であり、居場所としてのフリースクールとは異なります。

『未来を育む遊学舎』は、【ギフテッド】の子どもたちが学び合う自由教育の場所であり、子どもたちの未来が拓かれる場所です。

校舎は、奈良県五條市大塔町という大自然の中にあります。
この自然に囲まれた「何もない」環境で、子どもたちが豊かに育つことをめざします。
現代社会では便利さや快適さが重視されがちですが、「何もない」ことこそが、子どもたちの生きる力を育む源になるのです。
自然の中での経験は、自己発見やチームワーク、自然との共生など、重要なスキルが豊富に含まれています。
さらに、社会と関わりながら生きていくためのマナーやルール、コミュニケーションスキルも、遊びや学びの中から獲得していきます。
認知能力とともに、非認知能力の向上も重視しています。

【ギフテッド】の子どもたちは、多様な経験や学びから、自己肯定感を高め、自信を持って自分らしく生きる力を養っていきます。
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宿泊型である理由
【ギフテッド】の教育は、これまでの既成概念にとらわれる保護者の方と、考え方に格差のあるケースが多々あります。

家にいると、保護者は子どものできないことを手伝ったり、できないことから遠ざけることが多くなり、それが続くと、子どもはお世話をしてもらうこと、できないことを避けることが当たり前と思うようになります。

社会で生きていけるようになるためには、生活の中でのルールやマナーを知り、「できない」を「できる」にチャレンジできる環境が必要です。
そのために、小さいながらも社会で生活を共にする宿泊型である必要がありました。
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宿泊施設外観
「子離れ」 「親離れ」をするための宿泊型なので、過保護になりがちな子どもたちにとっては大冒険ですが、長い人生の中ではとても良い経験になります。

保護者の方も子どもを預けたら終わりではなく、最初は「不安」を感じられることでしょう。
そこで、保護者は「子どもの成長を黙って見守る」という「親としてすべきこと」を学びます。
少しずつ成長していく我が子を見るたびに、「不安」が少なくなっていることに気づくことでしょう。
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宿泊施設室内1
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宿泊施設室内2
私たちが目指す5つのスキル
必要最低限の身の回りのことが自分でできる子どもたちが宿泊して学ぶプログラムのほか、通学希望の方も限定数で受け入れる予定です。
子どもたちが本来持つ力を発揮できるよう、次のような学びを提供します。
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また、未来につながる専門的な学びをプロの方から学ぶ授業を提供します。

高校進学を目指し、その対策の時間を設けます。

クラスメートと議論や対話をする時間を設けます。(哲学対話、ディベート)

子ども「学びたい」を大切にします。(探求型学習)

地域の人たちと積極的に交流します。

『未来を育む遊学舎』の活動経緯
また、私たちは、オルタナティブスクールの運営だけではなく、地域社会との連携を深め、地域全体で子どもたちを支援する社会の実現もめざしています。
さらに、支援が一過性のものではなく、継続的に提供される仕組みを作り上げていきたいと考えています。

『未来を育む遊学舎』の開校は、そのための第一歩です。
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2018年11月
旧大塔小学校の再利用に関する会議に代表理事のやまもとが参加。
2019年以降
様々な子どもを対象とした野外活動や合宿等のイベントを、ボランティア活動を中心として、大塔町宇井周辺にて行う。
2019年12月
これまでの活動を認められ、社会福祉法人五條市社会福祉事業団大塔ライフハウスの児童発達支援事業の立ち上げに、代表理事のやまもとが携わる。残念ながら、児童発達支援事業部は2022 年に中止となる。
2022年 4月
大塔町中原地区の地域活性化を目的に任意団体「中原の里」を立ち上げる。翌年、大塔町中原のみならず大塔町全体の地域活性を目的にする。
2023年10月
大塔ライフハウス(旧大塔小学校)の教室を使った教育事業の立ち上げ準備が始まる。
11 月の条例改定により大塔ライフハウスの教室貸与が可能となる。
同月、事業を実現させるための準備に入る。五條市との話し合いやNPO 法人格取得に向け、活動。
2024年 春
事業活動開始、及び NPO 法人格取得
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費 用
体験入学 1泊2日 20,000 円
(子ども一人)
入学金 10 万円
授業料(年間) 70 万円
(専門家授業も含む)
施設費(年間) 25 万円
教材、ツール等(年間) 25 万円

別途:昼食、おやつ代 13,000 円(毎月)、
冬季暖房費 5,000 円(10 月から3 月まで毎月)

寮費:46,500 円(毎月)、
冬季暖房費 5,000 円(10 月から3 月まで毎月)

夏休み(予定) 7 月 中旬 ~ 8 月 31 日
冬休み(予定) 12 月 20 日 ~ 1 月 10 日
春休み(予定) 3 月 20 日 ~ 4 月 10 日
その他、週末に係る祝日は休み

詳細は、お尋ねください。
スタッフ紹介

メインスタッフ

代表理事 やまもと まゆみ

発達障害児を30年以上教育プログラムで支援する。独自の療育プログラムで子どもたちの発達を健やかに育む。知的ギフテッド支援も早くから取り組む。

スタッフ

小泉 充男(コイズミ ミツオ)

ITエンジニア/ドローンパイロット、応用情報技術者、二等無人航空機操縦技能、第三種陸上特殊無線技士

松谷 真輔

山の樹屋 代表、日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、森林インストラクター、奈良県森林環境管理作業士、元教師

アドバイザー

室橋 春光 氏 元北海道大学名誉教授

小泉 雅彦 氏

ギフテッドの臨床研究に携わって四半世紀。ギフ寺主催(ギフテッドの子どもたちの寺子屋)、共著に「ギフテッドの個性を知り伸ばす方法」、「ギフテッド応援ブック」

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